次へ   【良く使う規則】

 点字規則には複雑なものも多く、単純に「こういう場合はこう」と言う具合にはいきません。たくさんの例に当たり、その都度「点訳のてびき」等を参照する事によって徐々に理解していくしかありません。

 今回は、比較的単純な規則で、良く使うものを覚えましょう。

 1・連濁は続ける

 連濁と言うのは、二つの語が結びついた時に、後の語の清音が濁音になる事を言います。「会社」は「かいしゃ」と読みますが、「株式会社」は「かぶしきがいしゃ」と読みます。「か」が濁っているのがわかりますね。このような場合は、「株式」「会社」双方とも自立可能な言葉ですが、一続きに書きます。  》「かぶしきがいしゃ」「おはなばたけ」「こーひーぢゃわん」

 2・複合動詞は続ける

 複合動詞と言うのは、動詞が2個以上並んだ場合に一つの動詞として扱うと言う事です。「歩く」「始める」、双方とも動詞ですが、「歩き始める」と並んだ場合は、「あるきはじめる」と一続きに書きます。「泣く」「叫ぶ」「続ける」と三つ並んだ場合も、「なきさけびつづける」と続けます。
 ※ あくまでも「動詞」だけが並んでいないといけません。間に「て」等の助詞が入るケースは該当しません。  》「あるいて くる」

 3・副詞・連体詞の後は区切る

 副詞・連体詞と言うのは、何かの動きや性質を説明する語です。
 副詞は用言(動詞とか形容詞)を修飾し、連体詞は体言(名詞とか代名詞)を修飾します。
 副詞の例:「ああ」「こう」「そう」「どう」「もう」「ぴかぴか」
 連体詞の例:「あの」「この」「その」「どの」「ある」
 》「ああ いう おとこ」「そー した ところ」「もー すぐ」
 》「あの えわ たかい」「その てんわ みとめる」「どの いえも」

 4・助詞・助動詞は、前に続ける。

 助詞:「の」「て」「に」「を」「は」「へ」「ほど」「まで」「より」「くらい」「けれど」「など」等
 助動詞:「だ」「です」「そうだ」「みたいだ」「ようだ」「らしい」等
 》「かれの せわ たかいそーだ」「やめて くれ」「かれに あげる」
 》「そのくらいの ことで」「やすいけれど わるい」

 5・人名の後の「さん」「様」「君」「殿」「氏」等の
   敬称は前を一マス空ける。

 人名は、一般名詞と違い、どのような名前が出てくるかわかりません。「様」とか「君」とかを含んだ名前があっても不思議ではありません。そういう事で、人名部分をはっきりさせる為に、敬称の前でマス空けをします。
 「高橋殿」→「たかはし どの」(人名であるから)
 「高橋商店殿」→「たかはし しょーてんどの」(人名で無いから)
 「誠さん」→「まこと さん」
 「うさぎさん」→「うさぎさん」

 ※ 愛称の場合は人名とはみなしません。「ちゃん」は敬称には含みません。
 》「あーら、 たあさん、 おひさしぶりね」「たあちゃん、 あそぼ」

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