次へ   【分かち書き(1)】

 今回からは、「分かち書き」の話をしましょう。

 仮名点字においては、意味を把握しやすいように、適当な所でスペースを入れて文章を区切ります。基本的には、「ね」とか「さ」を入れて、自然な文章になるようにします。その「ね」等の箇所をスペースにします。以下の例を見てください。

 》「学期末の試験はあと1週間後に迫った」

 これを、分かち書きにしてみると、
 「がっきまつの(ね)しけんわ(ね)あと(ね)1しゅーかんごに(ね)せまった(んだよ)」と言うような具合に読んで、(ね)の所をスペースにします。

 しかし、そんな理屈を考えなくても、日本語なんですからごく自然に読んでいけば、スペースの位置がわかります。 以下の例を見てください。

 「が っきまつ の しけんわあと1 しゅーかん ごにせ まった」

 このように区切った場合、非常に不自然に感じますね。どうして不自然なんだと聞かれても、上手に説明するのは難しいですね。でも、不自然なものは不自然なんですからしょうがありません。難しい理屈はさておき、《自然な日本語になるように区切る》と言う事を心がければ、9割くらい正しい点字にはなります。

 とは言っても、どうせなら、なるべく点字規則に則った綺麗な点字文を書いて見たいものです。そこで、点字規則を一つ一つ説明していては、厖大なものになりますので、ポイントだけ取り出して説明したいと思います。ちょっと難しい話しになりますが、最初のうちはパスしていただければ結構です。ある程度点字に慣れたところで読み返してください。

 まずは、分かち書きの大原則

 《自立語の前は区切り、付属語は前に続ける》

 これを覚えてください。自立語とか、付属語の分類は、「点訳のてびき」の110頁にありますが、難しく考えずに、「その語だけで独立して使用可能なものは、自立語、何かの語とくっついていないと意味をなさないものは、付属語」と覚えていただければ結構です。

 先の例で見て見ましょう。

 》「学期末の試験はあと1週間後に迫った」

 「の」は付属語ですから、前の「学期末」にくっつけます。「試験」は自立語ですから、その前とは区切り、「がっきまつの□しけん」となりますね。次の「は」は付属語ですから、前に続け、「がっきまつの□しけんわ」となります。次の「あと」は自立語、「1週間」も自立語ですが、「後」を「ご」と読む場合は、それだけで単独に使う事はありませんから、前に続けます。「に」は付属語です。
 結果として、以下のようになります。

 「がっきまつの しけんわ あと 1しゅーかんごに せまった」

 または、

 「がっきまつの しけんわ あと 1しゅーかん あとに せまった」

 後者の言い方はあまりしないと思いますが、自立語と付属語の説明の例としてこう読んでみました。「あと」とか「のち」となると、自立語となります。

 最初のうち、「だ」「です」「と」等を区切りがちですが、これを国語辞典で見ると、助動詞、格助詞、接続助詞などと書いてあります。いずれも付属語ですから区切りません。

 おっと、「と」でも、接続詞として使う時が有るんですね。接続詞の場合は自立語ですから区切ります。

 》「あたりわ しずまりかえった。  と、 とつぜん ・・・」

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