【点字本作成】

 点字本は印刷された本と違い、凹凸がありますし、紙も厚めにできています。ですから、点字用紙80枚程度でも、百科事典くらいの厚さになります。ごく普通の文庫本を点訳しても、点字では数百頁になるのが普通ですから、とても1巻にまとめる事はできません。どうしても分冊する必要があります。一般的に点字用紙80枚程度で点字本1巻とするのが取り扱いとしては良いようです。もちろん、これより薄くても厚くても良いのですが、100枚ほどになると、開いた時に湾曲し、読みづらいようです。

 点字本は、表紙・目次・本文・奥付で構成されます。以下、それぞれについて説明していきましょう。(本文は省略)

 《表紙》

 墨字の本の表紙にはいろいろな形態がありますが、点字本にあっては、墨字本の形態にとらわれず、一定の書式で作ります。上の方から、「著者(訳者、編者等があれば、それも含む)」「書名」「巻数」「製作者(グループ)」と言う順に書きます。本文に付いては書き始めの位置が決まっていますが、表紙に関しては、センタリングを行った方が良いでしょう。「巻数」と言うのは、1冊の原本が何分冊かになりますから、その全巻の数と、その点字本の巻数を書きます。

  だい1かん
 (ぜん 3かん)

 と言う形になります。表紙は、全体を枠で囲み、書名の部分をさらに枠で囲むのが一般的なようですが、各自の工夫で書かれれば良いと思います。レイアウトなどは、「点訳のてびき」101頁をご覧下さい。なお、表紙には頁番号は付けません。

 《目次》

 目次は、原本の目次とは全く違ってきます。点字本1巻分中の目次を書きます。頁番号までは、2の点(又は3の点)でつなぎます。これは、触読の際に、タイトルと数字の間に空白があると、正しくそのタイトルの頁番号の場所に行き着けない恐れがあるからです。

 だい1しょー□‥‥‥‥‥‥‥‥□1□□

 のような形になります。点線の前後は1マス空けます。点線の入る余裕の無い場合は、無理をして入れる必要がありません、空白にしておきます。ただし、数字(実際は数符)とタイトルがくっついてはいけません。

 だい1しょー□□ほんとーの はなしとわ なにか□1□□

 タイトルが長い場合は、入りきらない文字から、次の行へ持って行きます。その場合は、書き出し位置を2マス後ろへずらします。

 だい1しょー□□ほんとーの はなしとわ
 □□なにかな?□‥‥‥‥‥‥‥□1□□

 頁番号は、3桁分を確保し、左詰めで書きます。つまり、数符は、行末から4マス目に書くと言う事になります。

 だい1しょー□‥‥‥‥‥‥‥‥□1□□
 だい2しょー□‥‥‥‥‥‥‥‥□18□
 だい3しょー□‥‥‥‥‥‥‥‥□102

 目次が1頁で済まない場合は、目次自体にも頁番号を記入します。その場合は、「もくじ□1」のように書きます。

 なお、本文の目次が前書きなどの後に有っても、点字では目次を表紙の次に書きます。

 《奥付》

 最後に奥付を書きます。まず原本の奥付に書いてある内容を書きます。次に点訳者に関する奥付を書きます。奥付には頁数はつけません。

 ※ この「点字の話」は、FEYE点訳グループの皆さんの協力により、悟空(NIFTY ID:GAH00527)が作成しました。点字規則に付いては、「点訳のてびき第3版」に準拠しました。

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