次へ   【断ち切り記号】

 墨字において何気なく使っている、カギやカッコ等は、点字では重要な意味を持った記号となります。また、空白も大変重要な意味を持った記号です。どういう点で重要かと言うと、それが「断ち切りの記号」として使われるからです。

 数字とアルファベットの話をした時、数符と外字符は、最初に一つだけ書けば、その後ずっと有効であると書きました。では、その効果を断ち切りたい場合はどうすれば良いのでしょう? その時は「断ち切り記号」を使います。なお、点字規則では「断ち切り記号」と言う言葉はありません。説明の為便宜上使っています。

 断ち切り記号の代表的なものは、スペースです。なにしろスペースが来れば、その前の設定は全てクリアされます。非常に強力な断ち切り記号ですね。次に意識的に使われるものには、継符があります。そして、何気なく使っていますが、カギやカッコ類も断ち切り記号になります。

 では、実際の例で説明して行きましょう。

 》BASEと友達になろう

 最初に外字符を置き、2重大文字符を置きます。以降、区切りがくるまでアルファベットモードになります。「BASE」の次に「と」が来ていますね。「と」は、前に外字符があれば、「t」を表します。ですから、続けてしまうと、「BASET」となるわけです。これでは困りますので、「と」の前に外字符を断ち切る記号を使います。この場合は空白を置きます。「BASE と」と書けば、「と」が「T」と読まれる事はありません。

  BASE と ともだちに なろー

 しかし、「B組」のように、アルファベットと仮名を合わせて一つの文字を形作っている場合、空白を使うと、文字が分断されてしまい、都合が悪くなります。この場合は、空白では無く、継符を断ち切り記号として使います。継符はアンダーラインと同じなのですが、BASE画面では、「−」で表示されます。
  B_ぐみ

 》5と3を足すと8になる。

 数字の場合は、数符は、あ行とら行だけに有効ですから、上の例では、断ち切り記号は不要です。
  5と 3を たすと 8に なる

 》666円いただきます。

 数符の後に仮名の「え」があれば、それは「6」と判断されます。上の例では、「666」は、実は仮名の「え」が書かれています。その後ろに「えん」の「え」が続くと、それも「6」と判断されます。ですから、「え」の前で数符を断ち切る記号が必要です。スペースでは、「666 円」と言う形で、不自然ですから、継符を使います。
  666_えん いただきます。

 カギやカッコも断ち切り記号になります。

 》「BASE」と言うソフト

 上の例では、閉じのカギで外字符はクリアされます。ですから、その後の空白は入りません。
 「BASE」と いう そふと

 閉じのカギは外字符の効果を断ち切っただけで、その後のマス空けに影響するものではありません。その後のマス空けは、点字規則に従います。

 》「BASE」素晴らしいソフトだ。
 この例では、「BASE」で文章が途切れていると判断し、後ろを2マス空けます。
  「BASE」□□素晴らしいソフトだ。

 》MS−DOS

 上のようにハイフン(BASE画面では上のようにマイナス記号で表されますが、ハイフンです)が使われている場合、ハイフンは継符と同じ3、6の点ですから、外字符の打ち切り記号です。ですから、最初の外字符、2重大文字符は、「MS」までしか有効ではありません。忘れずに、「DOS」の前で、外字符と2重大文字符を付けないといけません。

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