点字では、数字を書く場合は、まず数符と言う記号を書きます。それから、数字に該当する仮名文字を書きます。アルファベットの場合は、外字符と言う記号を書いてから、アルファベットに該当する仮名文字を書きます。必要であれば、大文字を示す「大文字符」も付けます。
数符 外字符−● −−
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さて、「該当する仮名文字」とは、どういう事でしょう?
BASEを起動して、「あいうるらえれりおろ」と書いてみてください。「なんだ、この呪文は?」と思われるかもしれませんね。
では、カーソルを前に戻して、「あ」の上に来るようにします。そして、キーボードの「#」を入力してみましょう。一瞬にして「1234567890」に変わります(^_^)
ちょっと違うのは、「1」の前に、上の数符の形をした点が出現した事です。
では、この数符をDELキーで削除してください。元の仮名文字に変わりましたか?
次は、「あ」の位置にカーソルを移動して、読点を入力して下さい。読点を入力すると、自動的に後ろが1マス空いてしまいますから、BSキーでこの空白のマスを削除します。すると今度は、アルファベットが出現します。「a」の前には、外字符の形をした点が見えます。
おかしいですね。入力したのは読点のはずです。どうしてアルファベットになるのでしょう? 実は、点字では読点も外字符も同じ記号を使っているのです。どこで見分けるかは、後ろにスペースがあるかどうかで判断します。読点の後ろは1マス空けると言うルールがありますので、もしマスあけせずに後ろに仮名文字があれば、それはアルファベットであると判断されるのです。
最初に書きましたように、点字は6ビットの記号ですから、64文字しか表せません。これでは、仮名の50音を書いたら、後はほとんど残りませんね。ですから、仮名文字と何かの記号の組み合わせで、他の文字を表しています。ですから、その「なにかの記号」と「仮名文字」の組み合わせを覚えれば、数字やアルファベットが書ける事になります。上の例では、その「なにかの記号」を付けたり消したりして、この事を確認したわけです。
気がつかれた方も見えると思いますが、「なにかの記号」は一つだけでした。
「1」を表す時も、「12345」を表すときも、数符は最初に一つだけあればいいのです。アルファベットも同様に考えます。これは便利な反面、困る事もあります。例えば「え」は、単独で使えば「え」ですが、前に数符が付くと、「6」になります。では、「6えん」と書きたい場合はどうするのでしょう? まず数符を書いて、次に「え」を書けば「6」となります。次に「え」を書きたいのですが、数符は後ろに続く仮名文字全部に有効ですから、「66」になってしまいます。これを「6え」と読めるように書く方法があるのですが、ちょっと難しい話しになるので次回と言う事にしましょう。試しにBASEで「66」と「6え」を入力して見て、どう表示されるか見てください。BASEの賢さがわかります(^_^)
さて、誰しも疑問に思うのは、なぜ「1234567890」に該当する仮名文字が「あいうるらえれりおろ」なんでしょう? 「あいうえおかきくけこ」となっていれば、実に覚えやすいではないですか? この理由は私もしりませんが、点字は元々フランスで考案されたもので、後でできた日本語点字がその構造をそのまま取り入れているものであるからと聞いたような気もします。
でも、数字がア行とラ行だけでできているのは、実に良く考えたものだと感心します。点字記号一覧を見ればわかりますが、ア行とラ行は、一番下の3、6の点を使っていません。この事を利用して、点の位置を一段下げて、「下位数字」と言う、一般の数字と区別した数字を書く事ができます。もし、これがあ行とら行以外ですと下げる事ができませんから、そういう事は不可能なんですね。
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−● ●− これは、「2」です。
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−● ●− これは、下位数字の「2」です。
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目次が何頁にも渡る場合、「もくじ 1」等と書いて、本文の目次頁と区別しますが、「もくじ 1」の変わりに下位数字の「1」を使う事もあります。