【タイトル】東京都同情塔
【著  者】九段 理江
【掲 載 誌】新潮12月号
【発  行】2023年12月7日(11月7日発売)
【ファイル】tokyo01〜02 288頁

【内  容】 第170回芥川賞受賞作。バベルの塔の再現。シンパシータワートーキョー の建設は、やがて我々の言葉を乱し、世界をばらばらにする。ただしこの 混乱は、建築技術の進歩によって傲慢になった人間が天に近付こうとして、 神の怒りに触れたせいじゃない。各々の勝手な感性で言葉を濫用し、捏造 し、拡大し、排除した、その当然の帰結として、互いの言っていることが わからなくなる。喋った先から言葉はすべて、他人には理解不能な独り言 になる。独り言が世界を席巻する。大独り言時代の到来。