第152回芥川賞候補作4作 【タイトル】九年前の祈り 【著 者 名】小野正嗣 【掲 載 誌】群像2014年9月号 【発 行】平成26年9月1日 【点 訳】koco・ぶん 【校 正】Mandy 【ファイル】9nenmae.zip・204頁 【内 容】35歳になるシングルマザーのさなえは、息子の希敏 を連れて海辺の小さな集落に戻って来た。何かのスイッチが入ると、 引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎをする息子を 持て余しながら、さなえがなつかしく思い出したのは、九年前の 「みっちゃん姉」の言葉だった…。第152回芥川賞受賞作品。 【タイトル】ヌエのいた家 【著 者 名】小谷野敦 【掲 載 誌】文學界2014年9月号 【発 行】平成26年9月1日 【点 訳】ukiuki 【校 正】みあーた、koco 【ファイル】nue・236頁 【内 容】第152回芥川賞候補作。『童貞放浪記』の作者が描く、 高卒の父親と東大卒の息子の確執。――母は、六十七歳でがんが発 見されて、一年で死んだ。発見された時は、もう手術はできず、築 地のがんセンターへ通って抗がん剤治療を受けていたが、効かなか った。実家の隣りの町の病院に二ヶ月ほど入院したあと、私の東京 のマンションのそばのホスピスに移した。十二月一日に死んだが、 それから五年たった十二月六日に、ヌエが死んだ。 【タイトル】惑星 【著 者 名】上田岳弘 【掲 載 誌】新潮2014年8月号 【発 行】平成26年8月7日 【点 訳】Mandy 【校 正】ukiuki・賽子 【ファイル】wakusei・286頁 【内 容】第152回芥川賞候補作。幾つもの扉が叩かれる。東京代 々木の先端医療を施す総合病院の、イスタンブールの壮麗な寺院脇 にひっそり建つ朽ちかけたアパートの、あるいはカリフォルニア州 サンノゼのメガベンチャー企業の社長室において。それはまぎれも ない契機であるのだが、扉を叩く側も無自覚なことが多い。 【タイトル】指の骨 【著 者 名】高橋弘希 【掲 載 誌】新潮2014年11月号 【発 行】平成26年11月7日 【点 訳】紫陽 【校 正】koneco・Mandy 【ファイル】yubi・244頁 【内 容】死を覚悟したのではなく、死を忘れた。そういう腹の 決め方もあるのだ。果たしてこれは戦争だろうか。我々は誰と戦う でもなく、一人、また一人と倒れ、朽ちていく。これは戦争なのだ、 呟きながら歩いた。これも戦争なのだ。しかしいくら呟いてみても、 その言葉は私に沁みてこなかった──。34歳の新鋭が戦争を描き、 全選考委員絶賛で決まった新潮新人賞受賞作にして芥川賞候補作と なった話題作。