次へ   【点字の覚え方(1)】

 点字と言うと、普通は仮名ばかりの文字だと言う認識がありますね。漢字を表現できる点字もありますが、ここでは仮名点字の事を「点字」と言う事にします。

 点字は6個の点で構成されます。つまり6ビットデータですね。6ビットと言うのは、2の6乗個の文字しか表せません。つまり、64個の文字しか表されないと言う事になります。これではとても足りないので、2つの点字を組み合わせて1文字を表す事もあります。

 基本的な仮名文字は、ひとつの点字だけで表せます。「点訳のてびき」の最初にも、点字表記辞典の最初にも点字記号一覧がありますから、一通り眺めて見ましょう。点字板で打つ時は、凹面のパターンを打ちます。つまり、紙の裏側に突起ができるわけですね。読むときは、この紙を裏返して、飛び出した所をさわって読みます。読む時は、左から右へ読みますから、打つ時は、右から左へ打って行きます。こういう事を聞くと、頭が痛くなって来ますね(^^; でも大丈夫、点字エディターBASEを使えば、そんな事を考える必要はありません。普通のひらがなを、ワープロで入力するように入力していくだけです。

 でも、点字の手紙とか、駅の点字の案内を読みたいと思っても、BASE入力だけしか知らない場合は読めませんね。別に覚える必要はありませんが、点字の構造を知っているのも、いろいろと役に立ちます。

【点字の覚え方】

 まず、最初のお約束事です。点字は6個の点で構成されますから、それぞれに名前を付けないと話がしにくいので、以下のように数字を付けます。1の位置にしか点の無い時は、「1の点」と言います。6個全部の点がある場合は、「1、2、3、4、5、6の点」等と言っています。サイコロの6の面と同じ形をしています。「1、4の点」等と書いてあれば、最上段に2個点が並んでいる状態を言います。

  1●●4
  2●●5
  3●●6

 では、基本的な点の話しに入りましょう。

 まず、「あいうえお」の点を覚えます。以後、凸面のみで説明して行きます。

  ●− ●− ●● ●● −●
  −− ●− −− ●− ●−
  −− −− −− −− −−
  あ  い  う  え  お

 「あいうえお」をローマ字式で書くと、「AIUEO」となりますね。
 「か」は「KA」、「さ」は「SA」ですね。

 「KA」は、「K」と「A」の組み合わせです。「KI」は、「K」と「I」の組み合わせですね。同様に「SA」は、「S」と「A」の組み合わせです。

 つまり、「AIUEO」と、「KSTNHMYRW」を覚えれば、後は、これを組み合わせる事によって五十音が表現できます。これが、ローマ字入力の場合は、仮名入力の場合より少ないキーで打てる理由です。

 点字の場合にもこのことが当てはまりますが、「YW」はこの規則を当てはめません。「AIUEO」と「KSTNHMR」の12種類の点字を覚えれば、あ行から行(や行は飛ばします)までは読んだり書いたりできる事になります。

   では、点字の「か行」をみてください。

  ●− ●− ●● ●● −●
  −− ●− −− ●− ●−
  −● −● −● −● −●
  か  き  く  け  こ

 もう、わけがわからなくなりましたか? ちょっとマルの形を変えてわかりやすくしましょう。

  ●− ●− ●● ●● −●
  −− ●− −− ●− ●−
  −◎ −◎ −◎ −◎ −◎

 「あいうえお」のパターンに「◎」をくっつけただけと言う事がわかります。この◎が「K」に相当するものです。◎は、「6の点」ですね。つまり、「あいうえお」に6の点を付加したものが「かきくけこ」になります。

 では、「さ行」を考えて見ましょう。ローマ字で書くと、「SASISUSESO」ですね。「S」と「AIUEO」の組み合わせです。
 「S」は、5、6の点です。「あいうえお」の点に5、6の点を付けてみてください。「点訳のてびき」の点字記号一覧と照合してみると、さ行の点字になっている事がわかりますね。「た、な、は、ま、ら」行に付いても、まずローマ字で書いて見て、点字記号一覧から分析して、「あいうえお」にどんな点が付加されているのか発見して見てください。

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