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 墨字にアルファベットが出てくる時の扱いは、2種類あります。単なるアルファベットとして扱い、外字符を付す方法と、外国語として扱い、外国語引用符で囲む方法です。

 1・ アルファベットの入力方法

 アルファベットを入力する場合は、現在の仮名入力モードから、英数入力モードに切り替えます。切り替える方法は2種類あります。F10が3種類の入力方法の切り替えスイッチになっています。1度押すと、英数入力モードになり、もう1度押すと、6点入力モードになります(DOS/V版では使えません)。再度押すと、元の仮名入力モードになります。もう一つの方法は、TABキーを押す事です。押す度に、英数入力モードと仮名入力モードが切り替わります。通常は、こちらの方が便利です。ファンクションキー10番目の表示が「英数カナ」になっている状態で、アルファベットが入力できます。

 大文字と小文字の切り替えは、通常のワープロ操作と同じです。CAPSキーがロックされていれば、大文字になりますし、SHIFTキーを押しながらの入力で、大文字と小文字が切り替えられます。大文字符はBASEが自動的に判断して付加してくれます。

 では、「NIFTY−Serveに」と入力して見ましょう。TABキーを押して、英数モードにしてから、「NIFTY」と入力します。ハイフンは、墨字がどういう形をしていても、点字では3、6の点を使います。これは継符と同じ記号ですね。キーボードの右下の「_」がそれです。SHIFTキーを押しながら、このキーを押すとハイフンになります。以下のように表示されます。続いて、「Serve」を入力します。

 点字画面

 BASEが自動的に「N」の前に外字符と2重大文字符、「S」の前に外字符と大文字符を付けてくれます。ハイフンは、それ以前の外字符の効果を断ち切りますから、「S」の前に新たに外字符などが必要になるわけです。

 上の例で、「に」の前にスペースを入れました。これは、外字符の効果を断ち切る為に入れます。スペースを入力した後、TABキーを押して、英数モードから抜け、「に」を入力します。
 アルファベットと日本語が組合わさって一語になっていない限り、日本語の前で1マスの空白を入れる規則になっています。

 では、アルファベットと日本語が組み合わさって一語になっている場合とは、どのような場合でしょうか?
 「Tしゃつ(T−しゃつ)」「Uターン(U−たーん)」「3年A組(3ねん A−ぐみ)」などがそれです。スペースを空けずに日本語を入力すれば、BASEが自動的に継符を挿入してくれます。

 さて、ワープロなどでは、「Nifty」と入力する場合には、大文字と小文字を切り替える操作が必要です。最近のワープロでは、ファンクションキーで「NIFTY」「nifty」「Nifty」を切り替えられるものもありますね。BASEの場合は、大文字符の操作で、大文字、小文字を替える事ができます。試して見ましょう。

 「NIFTY」と入力します。以下のように表示されますから、大文字符を一つずつ削除して見ましょう。

 点字画面

 逆に、「nifty」と入力しておいて、大文字符(6の点)を付けていくと、「Nifty」としたり、「NIFTY」としたりする事ができます。大文字小文字が混ざっている文章などを入力する時、最初にCAPSをロックしておいて、すべて大文字で入力し、後で大文字符を削除する事によって目的の形にする事ができます。

 2・ 英文の入力方法

 英文に付いては、2級点字の規則で入力するのが普通ですが、今回は日本語の文章の中に英文が含まれる場合だけを扱います。なお、「英文」と書きましたが、ドイツ語やフランス語など、英文以外の外国語も、日本語文章の中に含まれている場合は、英文の表記で書いていただき、アクセント符を付けるだけで結構です。
 英文の場合は、外字符では無く、外国語引用符で囲みます。外国語引用符は、キーボードの { と } で入力します。SHIFTキーを押しながら、カギのキーを押します。TABキーで英数入力モードにするのは同じです。では、入力して見ましょう。


 WHOは世界保健機関(World Health Oraganization)の略です。
 SNOW WHITE(白雪姫)を見ました。

 「WHO」は英文ではありませんので、そのまま入力します。外字符と二重大文字符が付いて表示されます。
 英文になっている部分(World Healt Organization)に付いては、外国語引用符で囲みます。SHIFTキーを押しながら 「 を押すと、引用符の開き記号が表示されますから、続けて「World Healt Organization」を入力します。そして、最後にSHIFTキーを押しながら 」 を押すと、引用符の閉じ記号が表示されます。

 点字画面

 さて、この点字の英文は実は間違いです。外字符は外国語引用符の中には使いません。外国語引用符自体が英文である事を示しているからです。「World」「Health」「Organization」の前にある外字符をDELキーで削除します。間違って大文字符を取らないように注意してください。また、「WHO」は、英文ではありませんから、前の外字符は必要です。取らないようにしてください。
 「SNOW」「WHITE」の前の外字符も同様に削除します。

 点字画面

 以下のようになれば、正解です。

 点字画面

 上の例で「SNOW WHITE」の後のカッコは1マス空けてから書いていますね。外国語引用符の前後の分かち書きの規則は難しくなりますので、省略します。興味のおありの方は、『点訳のてびき』の22頁から26頁をご覧ください。

 さて、外国語引用符の中に、さらに外字符が付いてしまったのを削除するのは面倒ですし、削除忘れと言う事もあります。最初から外字符が付かない方法があれば便利ですね。BASEには英文を入力するモードがあります。SHIFTキーを押しながら、「\」キーを押すと、最上段のガイドに「E」が表示されます。この時には、外字符が付きません。ただし、英文入力モードになりますから、句点はピリオドと判断され、日本語を入力した時、句点の後が1マスになってしまいます。英文を入力した後は、必ずSHIFT+\で、日本語入力モードに戻しておかないといけません。

 ガイド(Eが表示されている)

 では、例題です。TEST.BSE の新しい頁から書き始めてください。

 【例題8】


■NATOとは、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)の略称です。北大西洋地域の北アメリカ、ヨーロッパ両大陸の西側諸国が調印した北大西洋条約に基づいて設立された集団防衛機構です。
■INFとは、中距離核戦力(Intermediate-range Nuclear Forces)の略称で、以前はTNF(Theater Nuclear Forces)−−戦域核戦力と言っていました。

 《ヒント》
 カッコの中は英文です。「−−」は長音を2個。前後1マス空けます。
 カッコは、全て前に続けます。「Intermediate-range」は、ハイフンで結ばれています。この例題では、「北」「両」「核」は後ろの語とくっつきます。
 BASEにおけるアルファベット、英文の扱いは、慣れないと戸惑います。入力していて、うまくアルファベットが表示されなかったり、仮名文字が文字化けする事があるかもしれません。これがBASEの特性ですから、慣れてください。SHIFT+\を繰り返すと、見えたりします。英文に付いては、別途英語点字の知識が必要となります。

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