【書 名】肉骨茶(新潮2012年11月号抜粋) 【著 者】高尾長良 【出 版 社】新潮社 【発 行 日】2012年11月7日 【点 訳】桃子 【校 正】紫陽・らか 【作 成 日】2013年1月 【ファイル】全1巻
シンガポールからマレーシアへの入国審査の列の手前で、赤猪子は日本人 ツアー客40人を離れ便所に歩み寄った。(中略)17才、160cmの赤猪子は35kg でこれは標準体重の62%だった。硬いしこりを胸の中に宿しながら微かな恐 怖と焦燥とに蝕まれて、赤猪子は人気のない便所の中に一瞬佇んだ。 (冒頭より)新潮新人賞を史上最年少で受賞。第148回芥川賞候補作。