【書 名】これはペンです 【著 者】円城塔 【出 版 社】新潮社 【発 行】新潮平成23年1月号 【点 訳】kiko 【校 正】賽子 【作 成 日】2011年7月 【デ ー タ】全1巻
第145回芥川賞候補。 叔父は文字だ。文字通り。 だからわたしは、叔父を記すための道具を探さなければならな い。普通の道具を用いる限り、文字は叔父とはならないから。彼 は文字のくせに人間なのだ。ペンを用いて叔父を書き、それが文 字となるならば、いや勿論これは逆なのであり、ペンを用いて文 字を書き、それが叔父となるならば、他の文字まで母やら祖父や らいうものなのだとなりかねない。