次へ   【線類】

 記号の話の続きです。今回は線類の話をしましょう。

 原文に棒線があれば棒線を、点線があれば点線を書きますが、点字では、墨字のイメージそのままには書きません。
 棒線は、長音符を2つ、点線は2の点を3つ書きます。原文が「‥‥‥‥‥‥」のようになっていても、点字においては、2の点を3個ですませます。

 特に長い線を短い線と区別する必要のある場合には、長さを増す事ができますが、あくまでも「必要のある場合」です。例えば、「長い線は**を表し、短い線は**を表す」等のような文章があって、2種類の線が引いてある場合などは、長さを替える必要があります。なお、線を短くする事はできません。

 なお、目次等で数字までのリードの為に点線を使いますが、これは、数字までが空白だと、正確にその行の数字であるかがわからない為に引くもので、いわゆる「点線」とは別の扱いとなります。この場合、2の点2つと言う事はありますが、1つはありません。

例: だい1しょー ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
   だい2しょー ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21

 基本的に棒線、点線の前後はマス空けをしますが、囲み記号(カギやカッコ等)の内側や、「?」「!」の前ではマス空けをしません。

例: そうだったの□‥‥‥?
   そうだったんだ□‥‥‥」
   「‥‥‥□よし、やるぞ」

 また、1語の中の一部の省略として点線が使われている場合は、マス空けしません。例えば、「男性的な考えだ」と言う文章の「男性」が「‥‥‥」で表されているような場合です。「‥‥‥てきな かんがえだ」

 矢印は、墨字の矢印と同じ形をしています。棒線の片側、又は両側に矢の部分を書きます。6点入力であれば、イメージ通り入力しますが、仮名入力の場合は、右向き矢印は、「た」、左向き矢印は「こ」を書けば結構です。線の部分は棒線です。

    →           ←
 −− −− ●−  −● −− −−
 ●● ●● −●  ●− ●● ●●
 −− −− ●−  −● −− −−
       ↑    ↑
    「た」と同じ 「こ」と同じ

 「〜」は、範囲を表す場合は、継符を2つ書きます。前後はマス空けをしません。「〜」と書いてあっても、必ずしも範囲を表している場合とは限りませんので注意してください。

 例: 「東京〜大阪」

      −− −−
 とーきょー−− −−おおさか
      ●● ●●

例: え〜、そんなあ! (この例の場合、範囲を表していません)
   えー、 そんなあ!

 さて、記号の前後は、マス空けをしたり、しなかったりします。記号が重なった時など、どちらのマス空けを採用したら良いのかわからなくなる時があります。そのような時の為に、記号間の優先順位が定められています。数字の小さい方を優先します。もし、同じ順位になった場合は、どちらにしてもかまいません。

第1順位
 ・句読符(。、・?!)の前は続ける。 「‥‥‥!」等
 ・囲み記号の内側は続ける。 「−− そんな こと! ‥‥‥」等
 ・波線は前後を続ける。 「とーきょー__おおさか」等

第2順位
 ・句読符の後ろは、点字規則で定められたマス空けをする。
  句点の後は2マス、読点の後は1マス、?!の後は、2マスの場合と
  1マスの場合があります。
 ・棒線、点線、矢印類の前後は1マス空ける。 「あっ□‥‥‥□そーか」等

第3順位
 ・囲みの符号の外側は、他の記号や分かち書きの規則に従って書く。
  例: 「あすわ やすみだ」と、 かれわ いった。
     「あすわ やすみだ」□□かれわ いった。

  例外: 段落挿入符は、内側のマス空けも含めて3マス符号として扱う。

 時々、優先順位がバッティングを起こす事があります。第1順位の例にある、「−− そんな こと! ‥‥‥」を見て見ましょう。「こと!」は、ここで文章が終わっていますから、「!」の後は、2マス空けです。しかし、次の「‥‥‥」は、前のマス空けは1マスにする事になっています。どちらを採用したらいいでしょう? この場合は、どちらでも良いので、「こと!□□‥‥‥」としても正しい事になります。

 「そんな事! ‥‥‥ 知らないわ、私!」という文章が有るとすると、「そんな事!」で絶句し、ちょっと時間を置いて「知らないわ」が来るような感じですね。こういう場合は、点線から新しい文章が始まると解釈し、「そんな こと!□□‥‥‥□しらないわ、 わたし!」とすると良いと思います。

前へ


次へ  目次へ

 ホームページへ