次へ   【16:短文登録】

 一般のエディターには短文を何かの文字に登録する機能がありますが、BASEにも良く似た機能があります。
 この機能はDOS/V版では制限がありますので、使用可能な機能をご使用ください。機種によってキーボードの構造も違いますから、適宜読み替えてください。以下の説明はPC98シリーズでBASE ver1.60を使った場合のものです。

 《短文登録》

 SHIFTキーを押しながら、F8を押します。半角カタカナの50音(清音のみ)が左端に書かれた窓が開きます。ROLLUP、ROLLDOWNキーで頁が変わります。ここに、短文を書き込んでいきます。最後に必ずリターンキーを押してから、ESCキーでBASE画面に戻ります。

 短文登録画面

 《短文呼び出し》

 登録した短文を呼び出す方法は2種類あります。

 1・SHIFT+F9を使う方法

 SHIFTキーを押しながらF9を押すと、先ほど登録した画面が表示されます。カーソルキーを目的の短文位置まで移動し、リターンキーを押せば、BASE画面のカーソル位置に短文が書かれます。上の画面の例では、「イ:」の位置でリターンキーを押すと、「いすらえる」がBASE画面に書き込まれます。もう一つの方法は、カーソルを移動する変わりに、仮名文字、例えば「い」を入力しても同様の結果が得られます。ローマ字入力の場合、つまり仮名ロックがなされていない場合は、仮名の位置の文字が有効です。例えば、「い」のある位置、つまり「E」のキーを押すと、「い」が押された事になります。後に説明するNFER(無変換)が使えない機種の方は、この方法でしか短文呼び出しができません。

 2・NFER(無変換)+1文字を使う方法

 「イ:」の位置に「いすらえる」と登録してある場合、NFERキーを押しながら「い」を入力すれば、BASEのカーソル位置に「いすらえる」が書かれます。

 では、実際に試して見ましょう。SHIFT+F8で短文登録画面を出し、「イ:」「テ:」「ハ:」「ラ:」に以下のように記入してください。表示されていない画面に移る場合は、ROLLUPか、ROLLDOWNを使います。

 短文登録画面

 最後にリターンキーを押して、記録を確定し、ESCでBASE画面に戻ります。以下の文章を短文呼び出しを利用しながら記入する事にしましょう。

 【例文】


 パレスチナ和平を推進していた、イスラエルのラビン首相兼国防相が、テルアビブで暗殺された。
 イスラエルでは、パレスチナ人問題で四度の戦争が起きたが、ラビン首相兼国防相がパレスチナ暫定自治協定に調印、パレスチナ人の自治拡大が進められてきた。

 上の例文は短いのであまり有難みは感じないのですが、「イスラエル」「テルアビブ」「パレスチナ」「ラビン首相兼国防相」が何度も出てくる場合に威力を発揮します。

 NFER(無変換)が使える機種の人は、以下のようにキー入力します。〔は〕は、NFERキーを押しながら、キーボードの「は」を押す事を意味します。

 〔は〕 わへいを すいしんして いた、 〔い〕の 〔ら〕が、 〔て〕で あんさつされた。
 〔い〕では、 〔は〕じん もんだいで 4どの せんそーが おきたが、 〔ら〕が 〔は〕 ざんてい じち きょーていに ちょーいん、 〔は〕じんの じち かくだいが すすめられて きた。

 以上のキー入力で、以下のように表示されます。

 点字画面

 短文ファイルにアルファベットを登録しておくと、英文モードに切り替える必要がありませんから、迅速な入力が可能となります。また、舌がまわらないようなややこしい文字なども間違い無く、すばやく入力する事が可能です。
 一般の小説でよく出てくる「わたし」「かのじょ」「おとこ」「おんな」等と言うタイプ頻度の高いものや、登場人物、固有名詞等を登録しておくと全体として大幅な入力の省力化がなされます。

 さて、この短文が登録してあるファイルですが、1度でも短文登録をすると、自動的にbase.TDF という短文ファイルが作られます。以下のようなテキストファイルとして記録されますので、電源を切っても消えません。しかし、RAMディスク上などで作業する場合は消えてしまいますので、注意が必要です。

 ア A1E3

 BASE159r以上のバージョンでは、このTDFファイルをいくつも作っておいて、切り替えて使う事ができます。拡張子だけは「TDF」でないといけませんが、いろいろな名前のTDFファイルを作っておいて、SHIFT+F8で短文登録画面を表示させている状態で、CTRL+TABを実行します。すると短文ファイル名を聞いてきますので、リターンキーを押すと、ファイル名が表示されますから、その中から選びます。
 本によっては、章が変わると場面ががらりと替わり、登場人物等もそっくり入れ替わる事がありますが、その場合に、短文ファイルを切り替えて使うと便利です。

 短文登録画面

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