次へ   【10:検索・置換】

 今までの説明で、基本的なBASEの入力・編集に付いては問題なくできるようになったと思います。これからは、BASEの機能を充分に発揮して、能率的な入力・編集を目指してみましょう。

 パソコンで点訳するメリットの一つに、検索と置換機能が使用できる事があります。墨字文書の中で目的の語を見付けることはなかなか難しい事なのですが、パソコンの場合は、検索機能で瞬時に見付ける事ができます。

 《検索は、F6で検索文字列を入れ、CTRL+↓↑》

 ファンクションキーの6番を押すと、「検索文字列:」と一番下に表示されますから、その後に文字を入力し、リターンキーを押します。そして、CTRLキーを押しながら、「↓」キーを押せば、後方検索を行い、目的の文字を見付けた所で止まります。修正が必要であれば、修正をします。さらにCTRL+↓を続け、文字列が見つからなくなるまで操作を続けます。CTRL+↑で、現在の位置から前を検索することもできます。

 では、次に置換を試して見ましょう。

 《置換は、SHIFT+F6で、検索文字列・置換文字列を入力》

 SHIFTキーを押しながら、ファンクションキー6番を押します。検索文字列を入力し、次に置換文字列を入力します。「全部一度に置換しますか ? [Y/N]」と聞いてきますが、基本的に「N」を選びます。点字においては、前後の文字・記号との組み合わせで全く意味が違ったり、読めなくなる場合もあります。必ず、1つずつ置換結果を確認しながら、次へ進む習慣を付けましょう。目的の語に達すると、「置換しますか ? [Y/N]」と聞いて来ますので、置き換える場合は「Y」、パスする場合は、「N」を入力します。

 便利な機能なのですが、文字列の一部を変更する場合は、点字規則を理解していないといけません。失敗しやすい事例を次の例で試してみましょう。以下の文章をBASEで入力してください。


 円高で外国製品が安く買えるようになりました。
 先日買ったCDは500円でした。
 1ドルが200円の時から比べると、半分の値段で買えた事になります。

 以下のようになりますね。カーソルを先頭に持っていって、「えん」を検索してみましょう。3箇所でカーソルがストップしましたか?

 点字画面

 では、次に置換を実行して見ましょう。カーソルを先頭に持って行き、SHIFT+F6。検索文字列に「えん」、置換文字列に「どる」と入力してリターンキーを押します。全て置換すると、以下のようになります。

 点字画面

 5行目を見てください。「えん」が「どる」になったので、濁点分が1マス増え、「500どるでした。」がその行に入り切らなくなりました。BASEは自動的にワードラップを行い、「500どるでした。」を次の行に送ります。

 さて、おかしな部分ができました。5行目、6行目を見てください。「500_どる」と継符が入っています。「あ」行と「ら」行は継符が必要ですが、「どる」の前に継符は不要です。この継符は削除しないといけません。

 では、この文章の「どる」を「えん」に置換してみましょう。以下のようになりました。

 点字画面

 最初の文章と少し違いますね。「500えんでした」は、前の行に入りきるのですが、BASEはそこまで面倒を見てくれませんでした。もう1点、「1どる」が「16ん」になってしまいました。「1どる」の場合は継符はいらないのですが、「1えん」に変更すると、「1_えん」と継符が必要です。BASEは、「どる」を「えん」に変更しただけなので、このような事になったわけです。数字やアルファベットの交じった文字列を変更する時は、要注意と言うことですね。

 なお、「16ん」等は見つけてくれませんが、BASEには、「CTRL+V」と言う点字としておかしな部分を見つけてくれる機能があります。余分な空白や、継符が有ると、そこで止まって注意を促します。これに付いては、次回に説明しますが、例題で試して見てください。カーソルを先頭に持って行き、CTRLキーを押しながら、Vキーを押します。

 さて、例題です。

 【例題9】


■大リーグワールドシリーズは、アトランタ・ブレーブスと、クリーブランド・インディアンスの間で行われていますが、アトランタ・ブレーブスが連勝しています。クリーブランド・インディアンスの選手のヘルメットを見ると、羽を付けたインディアンのデザインですね。どこかで見た事があると思ったら、映画の『メジャー・リーグ』と同じじゃないですか? メジャー・リーグのチーム名は、クリーブランド・インディアンズでしたが、これって実在のチームだったんでしょうか?

 《ヒント》
 中点は省略して、1マスの空白としてください。同じ文字が何回も出てきますね。真っ正直に入力してもいいのですが、簡単な文字で入力しておき、後で置換すると少ない入力で済みます。例えば「アトランタ」を「あ」と入力しておいて後で「あ」を「あとらんた」に変更する事が考えられます。でも、こうすると、「あ」を含んだ文字は全て「あとらんた」になって具合が悪いので、「;あ」等と入力しておき、「;あ」を「あとらんた」に変更します。「インディアンス」も何回も出てきますね。でも、「インディアンズ」と濁っているものもありますよ。

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